わたしたちのパン

わたしたちのパン

●【パンについて】
「美味しい」ではなく「感動するかどうか」が私たちの商品水準。美味しいだけではダメで、商品化せず、直観的にうまいと思えるもの、つまり「本能に訴えかけるうまさ」を大切にした。毎朝食べられる美味しい食パンが作りたくて、シンプルな食パンを目指した。「シンプルで本能的にうまい」は派手ではなく難しい。ただ引いてしまう事ではなく、何を残すか。私たちの考える必要最低限で作る。「引き算」店名の由来でもあり、私たちの生き方でもある。フランスパンや菓子パンに至っても、一つ一つのパンと対話し、それに見合った材料のみを配合したシンプルなパンを目指した。私たちのフィルターを通して味や分量の細かい所をみる。皆が知る「パンという味」のすごく狭い範囲での作業かもしれない。大きな味の差はだせない。しかし、毎回の集中力と、思いを共有した二人だけの情熱が商品に反映され、小さな違いを生む。この小さな違いが、私たちにしか作れないパンになります。パンの素材はすべて国産小麦、仕込み水はすべて久住高原の天然水を使用。スタッフはおらず、夫婦二人のみの考えを反映させたパンを作っております。たくさんパンは焼けませんが、丁寧に作り、一番良いと思う状態でお出しいたします。先入観を持たず、他人の意見も入れず、自分の感覚だけに集中して食べたパンがあなたの感じたパンです。自分の感覚を大切にしてお召し上がりください。パンを通じて、思いを馳せるお付き合いが末永くできましたら幸いです。

●【ブラストチラー(急速冷凍機)について】
「感動するパン」に行き着くためにブラストチラー(急速冷凍機)を使用しています。「素材のうまさや、新鮮さをそのまま閉じ込める」ことができる唯一の機械で、窯から出たパンが皆様の口にするまでに失う「うまさ」を逃しません。通常、パンは時間とともに水分が抜け、味と食感が劣化していきます。分かりやすく言うと、次の日にパンを食す時や、冷蔵庫で保管していたパンがパサパサになった経験がある方もおられると思います。これは主に水分の蒸発(乾燥)とデンプンの老化によるものです。大事なのは焼き立てパンが窯から出てきた瞬間であり、一秒でも早く急速冷凍することです。このことにより、焼きたての美味しさと新鮮さを急速に閉じ込めることができます。すでに時間が経って劣化してしまったパンを急速冷凍にかけても「劣化したパンを急速に冷凍しただけ」で、劣化したパンの味と風味をキープしただけになり、意味がありません。また、業務用等の冷凍庫ではダメなのか?というと、あくまで冷凍庫はすでに冷凍された商品を保管する場所なので、熱々のパンを入れてしまうことは機械に負荷がかかり、そもそも旨味を逃しながら凍結してしまうので向いていません。せっかく美味しく作ったパンも、劣化した状態でお客様に届けたのでは意味がありません。私たちは美味しさにこだわるからこそ、ブラストチラー(急速冷凍機)を使用しています。

●【環境】
爽やかな緑の草原が広がる久住高原。くじゅう連山、阿蘇五岳、祖母傾山を見渡せる雄大な景色が広がる。朝日は空や草木へ色を、大気に温度を与える。鳥はさえずり、風は草花を揺らし香りを運ぶ。時間と共に変わる山の陰影。数えきれない星の数。ここでは自然が優位にあり、自然がすべてを演出している。都会では雑草と思っていたものが、そうでなくなり、同じ場所で共存していることに気づく。当たり前にあったものに気づける素晴らしい場所。このような久住の豊かな自然の中でパン作りをしています。